2015年3月にフランス旅行をしたときのことです。1979年にユネスコの世界遺産に登録さ、その美しい景観と歴史的価値が多くの人々を魅了し続け、現在でも年間300万人もの観光客を集める世界的な人気の観光地となっているモン・サン=ミシェルを訪れました。パリから4時間ほどバスに乗り手前の海岸にあるホテルに着くと、あたりは工事中のところがあちこちで少々げんなりしました。シーズンオフの時期のためかもしれないと思ってその日はナイトツアーで島内を見学して宿泊。翌日再びシャトルバスでモン・サン=ミシェルに行き島全体を見学しました。堤防道路を走っていると周辺は土砂を運搬する車両や建設重機がいっぱいで折角の世界遺産が台無しであると思いました。
しかし、これはモン・サン=ミシェルの島と陸地を結ぶ堤防の存在が潮流をせき止めることとなり、この100年間で2mもの砂が堆積。また押し寄せる観光客の駐車場などで急速な陸地化が島の周囲で進行しており、島の間際まで潮が来ることは滅多になくなっているということです。この対策として、景観を損なっていた駐車場が撤去され、地続きの道路が取り壊され、その替わりとなる新たな橋がかけられることが計画されているということです。その関連の工事であったことが後で解りました。世界的観光地であるが故に、開発と環境破壊の一例として学ぶべきことが多いと思います。